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射出成形1級技能士・実技試験の全貌

いつも訪問ありがとうございます😊


前回予告した通り

今回は国家資格である、射出成形1級技能士の技能検定試験の実技試験の体験談を公開します。


もう7〜8年前の事なので、今とは多少変わっているかも知れませんので、その辺はご了承ください。

実技試験の前には講習会がある

検定試験を申し込むと、後日試験の日程や講習会のお知らせなどが届きます。


有料の講習会ですが、講習会の場所は実技試験会場なので、当時使う成形機の操作説明や当時使う金型も見せてくれますので、初めて試験を受ける人は必ず申し込んだ方がいいです。


試験に使用する原料を事前に準備する

実技試験に使う原料2種類(ポリカーボネート・ポリスチレン)は、自分で用意して、試験前日に試験会場に持ち込み、乾燥させてもらわなければいけません。

しかし協会の方に事前に申し込めば、有料で原料を用意してもらうことができます。

かなり割高ですが、乾燥もしておいてくれるので、とても楽です。


ちなみに2級技能士の原料はポリスチレンとABSになります。


実技試験時の服装と持ち物

長袖の作業着、安全靴、帽子又はヘルメット、軍手、筆記用具が必要です。

ニッパーや六角レンチ、ノギスなどの工具は会場に用意されています。


試験には試験官と補佐官の2人がつく

実技試験には、試験を採点する試験官と、受験者の補佐(安全管理として)をしてくれる補佐官がついてくれます。

補佐官は、金型の取り付けや取り外し、射出した樹脂の後片付けなどを手伝ってくれます。


試験内容

指定された金型を取り付け、2種類の樹脂を使い、それぞれ40個の良品を成形し、終わったら、金型を外し、もとの状態に戻します。

そして作った成形品の中から1つ選び、寸法や金型との収縮率、不良率などを計算し、レポートを書きます。


これを3時間以内に行い、1分すぎるごとに減点され、30分をすぎると失格になります。


ちなみに2級の試験は、2種類の樹脂ので各20個の良品の成形で、レポートなどなしで、それを2時間30分以内に行います。


金型の取り付け

まずは成形機に金型を取り付けます。


チェーンブロックで金型を吊るし上げ、成形機に取り付けます。


クランクと呼ばれる金具でしっかりと金型と成形機を固定します。

固定したら、試験官に確認してもらいます。


冷却水用のホースの取り付け

金型を冷却する為のホースを取り付けます。

水路に注意しながら取り付けます。


終わったら試験官に確認してもらいます。

ダメだった場合はやり直しになります。


冷却機の温度調整をする

冷却用ホースを取り付けたら、今度は冷却機のスイッチを入れ、金型に水を通します。

そして水温を調整します。

まずはポリスチレン用の水温に調整しておきます。


金型の型締力を調整する

成形品の大きさから、適切な型締力を計算して設定します。

ここで適切な型締力を設定しないと、ショートショットやバリなどの不良になってしまいます。


加熱筒の樹脂換え

加熱筒(プラスチックを溶かす場所)の樹脂換えをします。

最初はポリエチレンが入っているので、これを試験用の樹脂ポリスチレンに交換します。

ポリスチレンで成形品を40個成形する

樹脂交換が終わったら、温度調整や成形条件の調整を行い、成形品を作ります。


箱状の成形品を40個作りますが、完璧な成形品ができない形になっているので、独自の判断で良品と決めて成形します。

樹脂をポリカーボネートに替えて成形品を40個成形する

ポリスチレンで40個成形し終えると、今度はポリカーボネートに切り替えます。

ポリカーボネートはポリスチレンよりも成形温度が100度ぐらい高くなるので、加熱筒の温度も冷却水の温度も成形条件も変わるので、再び再調整しなければなりません。

こうして40個成形します。


ポリカーボネートからポリエチレンに樹脂を戻す

ポリカーボネートで40個成形品を作ったら、今度は初期状態に戻さなくてはいけません。


ポリカーボネートからポリエチレンに樹脂を戻します。
※ポリエチレンは試験会場に用意されていて、使い放題になっています。


樹脂をポリエチレンに戻したら、不良状態で構わないので、1個成形します。

試験官に樹脂の状態を確認してもらいます。


冷却用ホースを外し、金型を外す

金型を締めた状態で、冷却機のスイッチを切り、冷却水用のホースを外します。


チェーンブロックで金型を軽く吊り上げた状態で、クランクを外します。


そして金型をもとの場所に戻して終了です。


レポート記入と後片付け

2種類の樹脂で作った成形品の中から1つずつ取り、寸法を測ったり収縮率を計算したりして、レポートを記入します。

レポートが終わったら、使った工具などを片付け、軽く掃除をします。

終わったら、試験官に作業の終了を告げ、了承されれば、無事に試験終了になります。


僕の実技試験の時は…

僕が初めて実技試験を受けた時は、緊張と慣れない成形機の為、23分オーバーになり、見事不合格になりました。


2度目の実技試験の時は、時間はオーバーしなかったのですが、成形品の質が良くなかったのか、やはり不合格でした…


最後に…

これが射出成形1級技能士の実技試験になります。

7〜8年前の体験談ですし、実施の県によっても多少違うので、もし今後試験を受けたい人は参考にして下さい。


長い記事でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!


明日は新作の絵日記漫画をアップできると思います^ ^






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